会社コラム

マンションの基本性能を決めるのは・・・

2013.09.22

 
 
マンションの基本性能を決めるのは「天井高」ではなく「階高」です。
「階高」とは、建物の1層(階)分の高さのことです。
ある階の床面から、上の階の床面までの高さで測ります。
この「階高」が、マンションの室内の立体的な広さを左右し、将来のリフォームのしやすさなどにも影響します。
構造設計では通常、リビングのサッシの高さと、そのサッシの上にくる大梁(柱と柱をつなぐ横架材)の高さを基準に「階高」を決めます。
たとえば、高さ2mのサッシを付けるとして、大梁の高さが75cmとすると、その他にサッシの付け代(たとえば10cm)、二重床の仕上げ(たとえば15cm)を加え、
2m+75cm+10cm+15cm=3m
の階高が必要ということになります。
階高の基準となる大梁の高さは、住戸の間口(スパン)と階数に左右されます。
間口が広いほど、あるいは下の階になればなるほど、大梁は高くなるのです。
中間階であれば、大梁の高さはスパンの約10分の1といわれており、スパンが7mなら70cm程度です。
 
また、10階建ての1階住戸の大梁は、9階住戸の大梁より10cm以上高くなり、その分、階高も高くする必要があります。
実際にマンションの商品企画をする際には、まず構造設計者に大梁の過程断面寸法を提出してもらわないと、各階の階高が決定できず、話が進みません。
そして、設計段階で階高をいったん決めると、後で変えることは非常に難しいのです。
これに対し、天井高は室内の天井と床の仕上げによって、変える事ができます。
階高が3mある場合、室内を二重床・二重天井にすると、3mの階高から二重床の仕上げ(15cm)のほか、コンクリートの床スラブ(たとえば20cm)、二重天井の仕上げ(たとえば15cm)を差し引いて、2m50cmが天井高という事になります。
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